ステロールは細胞膜の安定や機能を維持するために必要な物質で、動物性のものをコレステロール、植物性のものを植物ステロールまたはフィトステロールと呼ぶ。
植物ステロールは野菜や果物、穀物などに含まれており、40種類以上が知られているが、前立腺機能の研究においては特にベータシトステロールという種類が注目されている。ベータシトステロールは大豆や菜種、アボカド、ピーナッツなどの油脂成分に含まれており、悪質なコレステロールの吸収を抑え、血中のコレステロール濃度を低下させる働きがある。
前立腺肥大の臨床試験では、ベータシトステロールを摂取したグループは排尿に改善がみられたという結果も出ており、世界的な医学雑誌でもそうした改善効果が報告されている。たとえば『THE LANCET』という医学誌では、植物ステロールを投与する以前と6ヶ月間投与した後で、国際前立腺症状スコアの数字が14.9から7.5へと、ほぼ半減したという結果を掲載している(1996年)。その他の臨床試験でも、排尿スピードを速め、残尿感を減少させる効果がみられており、植物ステロールの排尿障害を抑制する働きがあることが広く知られるようになった。
症状改善のメカニズムについては完全に解明されてはいないものの、「コレステロール低下」「抗炎症効果」「細胞増殖を阻害する効果」「膀胱収縮の改善」「抗アンドロゲン、エストロゲン(男性ホルモン)効果」などの効果が作用することによるものと考えられている。